建設用語集

ワイヤーロープ

ワイヤロープは素線を数多く組み合わせた複雑な構造を有しており、その選択や仕様に当たっては、ロープの特長を知ることが大切です。 一般の鉄鋼二次製品に比べて、ワイヤーロープの特長は下記の通り。

特徴

  • 引張強度が高い
  • 柔軟性に富む(取扱が容易)
  • 長尺物が得られる(運搬、輸送が容易)
  • 耐衝撃性に優れている 

ワイヤーロープ構成

ストランドの数

ロープは、通常3~9本のストランドがより合わされていますが、特別の場合のほかは構造的にバランスのとれた6ストランドがほとんどです。ただし、エレベータ用のように、特に柔軟性を要求される場合には8ストランド、また非自転性を要求される場合には、ストランドを2層以上とすることもあります。同一径のロープでは、一般にストランド数が増加するほどストランド径は細くなり、ロープは柔軟性を増しますが、逆に強度は低くなり、耐摩耗性や形くずれ性などが劣ってきます。

長さ

一般に200m、500m及び1,000mのものが定尺。

より方

ワイヤーロープのよりとストランドのよりの報告が反対になっているものを「普通より」といい、同じ方向によられたものを「ラングより」という。ワイヤーロープのより方には、右寄り(Sより)と左より(Zより)があり、一般にワイヤーロープのよりの方向はZよりが多く用いられている。
ワイヤーロープのより方

使用禁止

  • 素線の断線
  • 径の減少
  • 型崩れ
  • 腐食

素線の断線はワイヤーロープ1よりの長さの間で素線数の10%(%)以上の素線が切断しているもの。また内部断線の目視により点検は困難ではあるが、谷断線の目視点検はロープを小さな半径に曲げると、断線した素線がはみだしてくる。ワイヤーロープを谷断線が発見されたら内部断線も進行している場合が多く、ロープ全体の疲労が進んでいるから、すみやかに新しいワイヤーロープと交換する。
続いて径の減少はシーブ、滑車を繰り返し通過する箇所で直径を測り、その平均値の減少が公称径の7パーセント(%)を超えるものは使用してはならない。
型崩れや腐食に関しては著しく形がくずれていたり、キンクしているもの、また腐食があるものは使用をせず新しいワイヤーロープと交換する。